☆.。.:*・ 青い鳥の卵 .:*・°☆

今日は寄っていくつもりはなかったのに
お店の横に「青い鳥の卵あります。非売品」
なんていうの不思議なポスターが貼ってあるのを見て
僕は思わずお店の扉を開ける

サイドボードの上には沢山の小さな薬壜にはいった卵達、
店主はその長い指先で茶色いスーツケースから
一つ一つ薬壜を丁寧に取り出している
店主はその作業を見つめている僕に
「ちょうどよかった。ココウ君に見せようと思ってたんですよ」
なんて笑顔をくれる。
僕は手元の市役所への提出書類を隠しながらいつものようにカウンターへ近づいた。
「芙蓉さん、その卵どうしたの?」

店主はいつもの困ったような嬉しいような顔になった。
(この頃僕はこの顔が、じつは店主の照れた顔なのかもしれないと
思いはじめている)
「今日は港へ着くはずの商品を受け取りにいったんですが
どこかで商品が間違ってしまったらしくて
身に覚えのない商品が届いてしまったんですよ。
宛名も私宛ですし、
置いていくわけにはいかないので
一応持っては帰ったのですが、、、、」

開けてみたらこの卵たちです、と僕にその
薬壜を見せてくれた。

小さなブルーの羽根がはいっているのは
この羽根をもつ鳥の卵という証だからなのだろうか
「これは多分スピカ島の青い鳥の卵でしょう
鳴き声がとても美しく、月の光に照らされる
その姿はまるで宝石のようだと聞いた事があります。
そしてこの卵というのは扱い扱いが難しく、
このように綺麗な状態で集められるのは
青い鳥旅団というその島の旅行会社だけだそうなんです」
ほら、ここにレーベルがありますよ、と壜の底を見せてくれた。
僕にはなんて書いてあるかわからないけど
掠れている青い鳥のマークがかすかに見えた

「このまま置いておいたら青い鳥が生まれるのかな?」
僕は見ていると今すぐにでも生まれてそうな
卵を見つめる。
「生まれるには旅行会社の合図が必要とかいてあるんです。
でも、私は今だかつてその旅行会社は見た事もないのですよ。
連絡先の記入もありませんし、、、
ですからその社員の方がこれを見つけてくれるのを
待つしかないようなんです。」

あぁだからあのポスターが、、。

僕は街の坂道を駈けおりる、街の中心にある市役所までは約10分。
今日はまるで羽根をつけたら飛べそうなほどいい天気
早く彼等が見つけられて、この大空たかく飛び立てる日を願いながら
僕は市役所の前に広がるモザイクの青い空を目指して駈けおりた





Item:05
name:青い鳥の卵
薬壜の中にはブルーの羽と卵。
この卵を孵すには青い鳥旅団員を見つけなければならない。

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「少年回廊」のnyaon様から
こちらの商品が登場する素敵なストーリーが届きました!
どうぞ銀河雑貨のもう一つのお話をお楽しみください!
※[展示室]にあります。

nayon様ありがとうございました!
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