☆.。.:*・ 7つの写真立て .:*・°☆

「キィ、、
雑貨店の少し軽い扉を開けると
目の前のカウンターに見た事も無い少年が座っていた。
先客?
僕は所な気にお店の中を見てまわる、、
店主もいないようで、少年もなんだか
落ち着かないようだった。
外は北風が吹いて、僕はもうマフラーをしているというのに
彼は全体を白でまとめた軽装だった。
、、、寒く無いのかな、、、。


今日は芙蓉さんに橋の下の月下草が咲いた事を
知らせにきたのに

僕はマフラーをしたまま、
小さな店内を一周して、時間をつぶしたんだけど
店主が戻りそうもないので帰る事にした

また明日くればいいや

諦めてお店を出ていこうとした,
その時
「君」
引き止める声が聞こえたので振り向いた。
目の前にさっきまでカウンターに座っていた白い少年がいる。
まじかで見た少年は濃いブルーと金の、色の違う瞳だ、まるで夜と月。
「君は、この写真立てに入っていた写真を知っている?」
視線を下にずらすと
右手には青い星ついた写真立てを持っていた、中に写真はない。
「さぁ、、僕は知らないよ」
「君が知らないなら、誰が知っているんだ?」
いきなり飽きれはじめた彼を見て僕はこの不躾な彼にムっとした。
それを察したのか彼は
「本当に?」
それは笑っているの?という判断のつかねる不思議な顔をした彼は
じゃあこの中身のないこの写真立てに用はない、君にあげるよといって
ふぃとお店を出ていってしまった。
一瞬彼の腰に巻いた白いストールがふわりと風に舞って
まるでキツネのしっぽに見えた
僕の手の中には写真のない古びた写真立てが残った

僕は彼の行動に呆然としていると、そこへ
大きな荷物を抱えた店主がふらつきながら帰ってきた。
「あれ、ココウ君、来てたんですか?」

すみませんね、と言いながら僕にオレンジミルクティーをだしてくれた
「すぐに帰る予定だったのですが、途中で隣街のご趣味で雲売り
をされている先生に会いまして、、」
申し訳なさそうに
大きな荷物をお店の奥に運びながら店主は
僕の手元の写真立てに気がついた
「それは?」
僕は先ほどの少年の話をすると、店主はとてもクスリと笑う
「彼の名前はシルバーですよ、3日前からずっと姿を見かけないと思ったら」
「これは何?芙蓉さんの写真立て?」
「違いますよ、それは先日うちが扱っていた商品です、
たぶん始めはどこかの風景の写真がはいってたと思いますよ。」
さて、何でしたっけ?なんて言いながら写真立てをがなめている
「これは星明かりの下でとれた7個の石を
使った写真立てなんですよ。
7つの石には7つの思い出がつまっていて、
この写真立ては全部で7つあるそうです。
そしてこの写真立ての特徴は、、」
「特徴は?」
「この中に入れた写真が夢にでてくるそうなんです。」
「え、すごい!」
「でも注意しなければいけないのは
思いが深ければ深い程鮮明に、そしてそれを見てしまった本人は
その思い出の中から戻って来れなくなるそうですよ」
「えー」
「、、、という話しですけどね」

でも僕は考えた、僕だったら何を入れるのか、、、、。

「芙蓉さんだったら何をいれる?」
「そうですね、先代に会って、文句でもいいましょうか」

まったくシルバーはお客様にお売りした商品を
また取りかえしてくるなんて、、。
気を悪くしていないといいのですが、、、。
店主は困ったようにそのお客様という人の連絡先を探す。
(結局連絡はつかなかったらしい)

僕は日の暮れる街を足早に後にする
もうすぐ月下草の花が咲く時間だ

僕だったらそうだな、小さかった頃の夢をみようかな、、。

空には早くも月が僕の行く先を照らしていた、、、。


Item:04
name:7つの写真立て
星明かりの下でとれた7個の石を使った写真立て
その写真の夢が見れるという話






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